Shall we 文書管理?

2022年6月27日システム開発,データ活用,業務改革

「デジタイゼーション(Digitization)」を前提として「デジタライゼーション(Digitalization)」に進めます。
英語の禅問答のようですが、該当する言葉が日本語にないのでご勘弁ください^^;
巷で話題のDX(デジタルトランスフォーメーション)も、まず様々な社内の情報資産をデジタル化すること(Digitization)が第1ステップだと言えます。
情報資産の代表選手は、文書です。

見えない効果

「なんでデジタル化するのか?」という素朴な問いに対して、残念ながら、一番説得力のある答えは「経費が年間○○円削減できます。」かもしれません。
IT(情報技術)の本質を理解していない人に対しては、コストが下がるという論理が有効です。
目に見えるコストの計算は、わかりやすいと思います。
例えば、OA用紙の購入費や複合機の使用料、書類保管スペースの賃料などです。
しかし、本来のデジタル化の効果は、別のところにあります。
例えば、過去の書類を探す時間、あるいは、それを再利用して書類作成する時間の短縮などです。
IT投資に当たって、最初から、この目に見えない効果を数値化することは難しいですね。
しかし、この時間のスピードアップは、巡り巡って顧客へのサービスレベル向上、競合他社との差別化に繋がるのです。

文書管理システムの限界

以前の「電子帳票」というテーマで書いたエントリーでも触れましたが、市販されている文書管理システムには、何らかの足りない部分が出てきます。
その理由として、文書は、様々な性質を持っていて、すべての種類の文書を管理しようとすると、システムが肥大化して使いづらくなってしまうところにあるのではないかと思います。
筆者が扱った文書の中でも厄介だと感じたのは契約書の管理でした。
まず、契約書(の発行)は、社内の文書管理規定に基づいて決裁される必要があります。
稟議され決裁された証跡となる文書がセットで存在します。
次に、期日管理を伴う契約書の場合、契約内容を見直して、契約期間を更新するかをチェックするプロセスが付いて回ります。※担当部署しか判断できない
そして、契約書を電子化するためには、スキャナーでコピーを取るような作業が強いられます。
※印鑑や手書きのサイン、袋綴じされているため
紙媒体をスキャンして電子化した文書では、検索するための情報を別途文書に付加して管理システムに登録する必要があります。※OCR(文字認識)は当てにならない

ISO規格

その他の文書には、どんな性質のものがあるでしょうか。
例えば、月度の報告書、業務マニュアル、社内規定、案件に関わる仕様書、図面、写真などでしょうか。
筆者は、以前ISO委員会事務局に在籍していた関係で、ISOの文書管理規格を参考にして、dbSheetClientの文書管理プロジェクトを開発していました。
ISOでは既に「文書」(documents)を「文書化した情報」(documented information)という言葉に置き換えています。
ちなみに、「文書化した情報」とは、「組織が管理し、維持するよう要求されている情報、及びそれが含まれている媒体」です。
旧版の「文書」と「記録」は、「維持する(maintain)」と「保持する(retain)」で区別しています。
ISOの規格「7.5.3文書化した情報の管理」には、次のようなことが書かれています。
a) 配付、アクセス、検索及び利用
文書が改訂された時などの新旧差し替え配布や閲覧や修正などのアクセス権、必要な文書・記録を容易に検索・利用できるようにするための処置を明確にします。
b) 読みやすさが保たれることを含む、保管及び保存
紙の書類や電子データに関わらず、文書はいつでも読みやすい状態を保つために破損や汚損、紛失などを防止するための保管、保存のルールを定めます。
c) 変更の管理(例えば、版の管理)
文書を改訂した場合に改訂番号や改訂履歴などで変更箇所を明確にし、旧版が使われないようにするなどの管理が必要になります。
d) 保持及び廃棄
文書の重要度や法規制に準じた保管期間を定め、その後の廃棄方法を明確に規定します。
皆さんも実感されていることと思いますが、上記の管理を真面目にやろうとすると、かなりシンドイですよね^^;

dbSheetClientを使った文書管理

文書管理は、大雑把に「保管のみ」「保管しつつ作成」「保管しつつ共有」と3つのタイプに分けられます。
筆者が、dbSheetClientで開発して最も効果が上がった文書管理は、見積書を管理するプロジェクトでした。
※以前のエントリー「地域に貢献」でご紹介
このプロジェクトは、「保管しつつ作成、共有」するタイプでした。
キーとなる情報をデータベースに持たせつつ、本体の文書ファイルをファイルサーバーに置き、リンクを張る手法は、汎用的な文書管理の可能性を示唆してくれました。
Excelとデータベースを融合するdbSheetClientが、さらに文書ファイルとデータベースを結びつけることにより、新たな可能性を広げてくれました。

見積書管理プロジェクト

皆さん本日もお疲れ様でした!
おやすみなさい(挙手)

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