3秒ルール

2023年10月7日システム開発,デジタルトランスフォーメーション,業務改革

床に食べ物を落としても、3秒以内に拾えば食べても問題ないという迷信または都市伝説。
カーぺットの上にポテトチップスなら適用できますが、フローリングの上を転がったオニギリの小梅は厳しいかもしれません(笑)
昔、企業でも個人でもホームページ作りが流行った時代、トップページが表示されるまで3秒以上かかると直帰率が上がるなんて説がありましたが、開発したシステムにおいても、レスポンスが重要なウエイトを占めます。
人間の時間に対する感覚はとても繊細ですが、大雑把なんですけどね。

人間には敵わない

人間は、計り知れない能力を持っています。
あるテレビ番組で町工場の職人さんが出てきて、研磨した金属表面の数ミクロンの凹凸を手で触ってわかってしまうみたいなことを特集していました。
筆者が勤めていた会社にも似たような人間離れしたスキルを持った職人さんがいることを知っています^^
皆様の会社ではどんな基幹システムをお使いでしょうか。
元筆者の会社ではいわゆるオフコン(だいたい昭和の産物)をベースとしたシステムで売上データ等を集計しています。
たぶん初めて使う人にはとてもハードルが高いと思われます。(筆者は実際に入力したことがないのですが)
たとえば、6桁の得意先コードを暗記していないと、いちいちコード表とニラメッコ、得意先名の一部で参照などと甘い機能は付いていません。
これが納入先、仕入先、商品分類、商品とすべてに当てはまります。
しかし、ベテラン社員が束になった注文伝票を淀みなくブラインドタッチで入力していく光景を目の当たりにすると、もうこれ以上、業務効率化する余地などないのではと錯覚してしまいます^^;

超絶技巧の陥穽

最近、クラシック音楽にハマっています。特にピアノ。
コロナ禍で自粛していた時期にアマゾンプライムで観まくった「のだめカンタービレ」の影響かもしれません(笑)
ピアノ曲の中には「超絶技巧」と呼ばれる人間離れしたテクニックを要求するものがあります。
リストの「ラ・カンパネラ」などが有名です。
そんな「超絶技巧」は、誰しもが習得できるものではないのと同じように、癖のある基幹システムを操る「超絶技巧」も数々の修羅場をくぐり抜けてきたユーザーたちの固有スキルなのかもしれません。
しかし、この固有スキルに頼ってばかりいると、突然の破綻がやってきます。
スキルを身につけた人が産休に入るとか退職してしまうと、その部署は大混乱に陥ります。

DXを阻むもの

DX(デジタルトランスフォーメーション)がコロナ禍をキッカケに企業の経営課題として、ますますクローズアップされているようです。
DXは基幹システムと直結する変化への対応となるため、必ずしもトップダウンだけではうまくいかないのではないでしょうか。
現場作業の利便性向上を十分考慮して、現場の協力が得られるような体制作りが大切です。
「超絶技巧」なスピード命のユーザーは、現状のシステムが変わることに、大いに反対します。
なんだかんだと現システムの優位点、新システムのデメリットを主張し、チェンジに応じようとしません。
変えないとヤバイと思う気持ちが、変えたくない気持ちを超えた時(かなり切羽詰まった状況)に初めて相談が来るようです。

潜在するリスク

従来の基幹システムの使いづらい点として、「1伝票ずつしか入力できない」「過去の伝票が流用しずらい」という課題がありました。
ある営業部門では、締め日に計上入力作業が集中していました。
販売商品の仕入単価が週単位、月単位で変動し、単価の確定が締め日ギリギリになるためでした。
仕入単価以外の得意先や売単価、数量等の受発注データは確定しているのに、なぜ予め入力しておかないのか確認したところ、中途半端に入力されたデータを1件1件呼び出して仕入単価のみを入力するよりも、すべての情報を一度に入力したほうが、データチェックを含めた作業性が良いとのことでした。
単価確定後、月末の数日間に1,000件を超える計上入力を行なう猛者もいました。
この特異のスキルを持ったユーザーが月末に体調を崩して休んでしまったら、それが年度末だったらと考えるだけでも恐ろしい状況でした^^;
システム維持管理を担うIT人材の不足が「2025年の崖」でリスクとされていますが、特異スキルを持った人材の不足は、業務全般にわたって潜在しているようです。
2025年の崖」についてはこちらの記事を参照してください。

dbSheetClientを適用

さすがに現場の管理職も、現状の販売管理システムの危うい状況に気が付いたようで、改善策はないか相談がありました。
課題は「月末入力の集中」と「特定スキルを持った社員への極端な依存」をどう解消するかでした。
まず、基幹システム側のプログラムを開発して、複数伝票をファイルから一括で入力する仕組みを構築しました。
基幹システムへの一括入力用ファイルは、ExcelのCSVファイルを適用できることがわかり、ユーザーへのインターフェイス(データ入力画面等)は、Excelと相性の良いdbSheetClientにてシステム開発となりました。
dbSheetClientでは、仕入単価以外の確定した情報をデータベースに保持しておくことができること、月末の仕入単価入力作業が複数メンバーで手分けして行なえることが、ユーザー部門への訴求力となりました。
さらに、開発に当たって、一番気にかけた点はスピードです。
伝票入力は、1件につきExcelで1行を入力する方式にしました。
起動時に関連するマスタをすべてExcelのワークシートに展開しておき、vlookup関数を利用して得意先コードが入力されると瞬時に得意先名が表示されるようにしました。
他のマスタを参照する入力項目も同様です。
ユーザー自身が、不要な入力項目を非表示にしたり、入力項目ごとに表示幅を変えて、その設定を保存する機能を実装し、受発注データ入力の作業性を確保しました。
さらに、前月の計上データを特定項目のみクリアして一括で流用する機能やセルに色をつけ、その情報をデータベースに記録して保存する機能などを組み込みました。
dbSheetClientでのシステム開発スキルを大幅にアップさせてもらった思い出のプロジェクトになりました^^

皆さん本日もお疲れ様でした!
おやすみなさい(挙手)

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