なぜ営業支援システム導入は失敗するのか?

システム開発,データ活用,内製化,業務改革

正月早々、突発性難聴になってしまい、一週間入院していました。
Happy New Yearならぬ、Unhappy New Earでした^^;
全く聞こえなかった左耳の聴力は、現状ほぼ回復しました。
突発性難聴には、早期治療が最も有効だそうです。
闘病記録は、こちら
皆さんも、耳がオカシイと感じたら、すぐに耳鼻科に行かれることをオススメします。

営業支援システムとは
営業は、収益を生み出し、新規顧客を獲得し、既存顧客との関係を強固にする不可欠な存在です。
バックオフィスといわれる、経理、会計、総務、人事は、営業部門を後方から支援する部署です。
つまり、営業が、商売をとってきてはじめて業務効率化をどうしよう、という課題が出てくるわけです。
経営層は、営業を強化するために、ITを駆使した営業支援システム(SFA)なるものを検討し、導入を試みます。
営業支援システムは、顧客データベースを作成し、顧客の基本情報や購買履歴などを管理することができます。
営業担当者は、データベースを活用して、顧客との関係を深め、個別のニーズや要望に合わせた提案を行うことができます。
また、営業支援システムは、営業活動の計画と進捗管理を支援します。
営業担当者は、予定された営業活動やタスクをシステムに登録し、進捗状況を管理することができます。
営業担当者は、効果的な営業戦略を立て、タスクの優先順位を決定することができます。
さらに、営業支援システムは、見積書や請求書の作成を支援します。
営業担当者は、製品やサービスの価格情報をシステムに登録し、見積書や請求書を作成することができます。
営業支援システムは、正確な価格情報を提供し、請求モレを防ぐことができます。
最後に、営業支援システムは、営業報告書の作成を支援します。
営業担当者は、営業活動や顧客動向をシステムに入力し、営業報告書を作成することができます。
営業担当者は、営業活動の成果を可視化し、改善点や成果を共有することができます。

導入失敗の背景
筆者は、フリーランスになる前、商社の情報システム部門に18年間在籍していました。
(それ以前は、営業部門に17年間在籍)
様々な業種業態の営業部門から営業支援システム構築の相談を受け、できる限り現場(大抵は部門長)の要望を採り入れてシステムを開発しました。
営業支援システム導入の賛否は、総論賛成、各論反対となることが多いです。
その目的から、誰も表立って導入に反対しません。
筆者は、dbSheetClientを使って、顧客の購買履歴管理や見積書、請求書作成支援では、一定の成果を上げました。
しかし、商談管理では、うまくいったタメシがありませんでした。
商談情報を入れるウツワの設計時には、真剣に関係者間で意見が交換されます。
しかし、そのウツワに、誰が、どのような情報を入れるのか、あまり考えられていません。
運用後にわかりますが、質の高い情報は、入力ルールを決めて、強制しても集まりません。
まず、ベテラン営業マンは、情報を入れたがりません。
なぜなら、ベテラン営業マンは、自分が特別な存在でいたいと考え、ノウハウを公開しようとしません。
逆に、新人営業マンは、役に立つ情報を集めるノウハウがありません。
あるいは、情報を共有するためのライティングスキルを持ち合わせていません。
営業マンは、電話した件数、今日の訪問件数、客先から得られた知見をすべて入力するでしょうか?
営業マンは、自分の行動が見えるようになってしまう、愚かな行動を上司に知られてしまう、監視されたくない、
大した仕事をしていないことを知られたくない等々、様々な理由から、当たり障りのない情報しか入力しません。
以前、ジョブ型雇用の記事 で書いたように、内容の濃い報告をしても、評価に繋がらなければ、人はどんどん手抜きするようになります。
結果として、小学生の夏休みの絵日記のようになってしまいます。(笑)

人間の特性を理解し、情報共有の限界を知る
情緒的表現を排して、決められた選択肢から選ぶだけの報告書は、絵日記よりも読んでツマラナイものです。
人は、自分が見たいと思う情報しか見ない、自分の利益になる情報しか流さない、という特性があります。
SNS(ソーシャルネットワークサービス)が、会社の外で盛んなのは、この特性をうまく取り込んだ仕組みになっているからです。
営業支援システムも、この人間の特性を理解して、システム設計しないと利用されないのかもしれません。
それは、システム設計というよりも、制度設計です。
例えば、入力1件につき特別ボーナスを付与する、あるいは、人事考課に加点する。
あるいは、入力状況(質・量)を評価し、ランキングして上位を表彰する等の工夫です。
また、営業支援システムの盲点は、顧客の感情やニーズを的確に把握する能力が不足している点です。
データに基づく自動化は強力でも、人間の洞察力やクライアントとの人間関係の要素を欠いています。
これにより、商談に対する柔軟性が制限され、受注確度を上げるための深い理解が難しくなります。
この情報共有の限界を知ることも、システム開発に必要な視点ですね。

皆さん本日もお疲れ様でした!
おやすみなさい(挙手)

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